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肛門診察/女性の痔のお悩み

肛門診察

肛門診察は、肛門やその周辺の異常を確認し、痔(じ)やその他の疾患を診断するために行われます。この診察は、症状の原因を特定し、適切な治療方針を立てるために非常に重要です。

一方で、女性の多くが恥ずかしさや不安から肛門診察を避けがちです。実際、女性の4人に1人が痔の症状を経験し、多くが受診に至っていない可能性があると指摘されています。痔であることを「恥ずかしい」と感じたり、「お尻を見せたくない」「周囲の人に痔だと思われたくない」という意識が受診を妨げる要因となっています。また、男性医師に診療されることに抵抗感を覚える女性もいらっしゃいます。当院では、女性医師が肛門診察を行います。看護師スタッフ含めて全員女性なので、安心してご相談ください。

肛門の疾患は、早期治療を怠ると、症状が進行しやすくなります。放置することで、手術が必要となる場合も少なくありません。さらに、症状が痔だと思っていても、大腸がんなど他の疾患が隠れている可能性があります。

肛門の疾患は早期診断と早期治療が重要であり、適切な対応を受けることが大切です。

ご相談の多い痔の症状

  • 排便時の出血
    →トイレットペーパーに鮮やかな血が付いたり、便器の水が赤く染まることがあります。
  • 肛門の痛み
    →排便中や排便後にピリッとした痛みを感じることがあります。強い痛みが続くケースもあります。
  • 肛門からの腫れやしこり
    →肛門のまわりにふくらみやしこりが出てくることがあり、触れると痛みや違和感があります。
  • かゆみや不快感
    →肛門まわりにムズムズとしたかゆみや違和感を感じることがあります。
  • 膿が出る
    →肛門から膿のような液体がにじみ出て、下着が汚れることがあります。
  • 熱感や腫れ、発熱
    →症状が進行すると、肛門まわりが腫れて熱をもち、体全体に発熱を伴うこともあります。
  • 排便時の違和感や残便感
    →排便してもスッキリせず、何かが残っているような不快感があることがあります。

悪化する前に受診することが大切です。

肛門診察のながれ

診察は、痔の種類と重症度を確認することが主な目的です。痔の原因や悪化要因を見極めます。さらに、肛門や直腸に関連する他の疾患(腫瘍、感染症など)の可能性も確認します。

まずは問診から

最初に患者さんの症状や生活習慣について詳しくお話を伺います。

主な質問内容には、以下が含まれます:

  • 痛みの程度や頻度
  • 出血の有無や量
  • 排便の状態(便秘、下痢、硬い便など)
  • 症状が出始めた時期とその経過
  • 生活習慣(食生活、運動、座りっぱなしの時間など)

視診・触診

診察台に横向きや仰向けで横たわり、肛門周囲を目視で確認します。痔核(外痔核)や腫れ、炎症、膿の有無などを確認します。手袋を装着した指を用いて肛門周囲や内部を優しく触診します。痛みの程度やしこりの有無、肛門の筋力を確認します。

肛門鏡による診察

肛門鏡という小さな筒状の器具を肛門に挿入し、内部の状態を直接確認します。内痔核や裂肛、直腸の粘膜の炎症、出血の有無などをチェックします。肛門鏡は滑らかな形状で痛みを最小限に抑える設計ですので、リラックスして受けていただけます。肛門診察は多くの方が緊張されるため、医師や看護師は患者さんが安心できるよう配慮しながら進めます。

当院の肛門外来は保存的治療のみとなります。手術が必要な場合は専門機関をご紹介させていただきます。

代表的な肛門三大疾患

肛門に多くみられる疾患には「肛門三大疾患」と呼ばれる3つの主要な病気があります。それぞれの特徴と原因、主な症状を理解し、適切な予防と早期治療を行うことが重要です。

  • 痔核(いぼ痔)
  • 裂肛(切れ痔)
  • 痔瘻(あな痔)

痔核(いぼ痔)

痔核(いぼ痔)は、肛門内外にある静脈がうっ血し、膨らんでしまう状態のことを指します。肛門には排便時の負担を和らげるための「クッション構造」がありますが、この部分の血管に過剰な圧力がかかることで発症します。

痔核は肛門疾患の中で最も多く、日本人の多くが一度は経験すると言われています。

痔核の種類

いぼ痔|盛岡市

内痔核

肛門の内側(直腸側)に発生します。初期には痛みを感じることが少なく、排便時の出血が主な症状です。進行すると、肛門外に脱出することがあります(脱肛)。

外痔核

肛門の外側(皮膚側)に発生します。 強い痛みや腫れを伴うことが多く、血栓ができるとさらに痛みが増します。

痔核(いぼ痔)の原因

痔核は以下の要因が積み重なることで発生します:

  1. 排便時のいきみ
    便秘や下痢が原因で過度にいきむことで、肛門周囲の血管に圧力がかかります。
  2. 長時間の座位
    座りっぱなしの姿勢が血流を悪化させ、静脈がうっ血します。
  3. 妊娠・出産
    妊娠中の腹圧の増加やホルモンの影響で発症しやすくなります。
  4. アルコールや香辛料の過剰摂取
    血流を促進し、肛門周囲の炎症を引き起こす可能性があります。
  5. 加齢
    肛門周辺の支持組織が弱くなることで発症リスクが高まります。

裂肛(切れ痔)

裂肛(切れ痔)|盛岡市裂肛(切れ痔)は、肛門の粘膜や皮膚が裂けることで生じる疾患です。硬い便や頻繁な下痢など、排便時の刺激が原因となり、肛門に小さな傷ができます。特に若い女性に多く見られる疾患で、排便時の痛みや出血が主な症状です。

初期段階であれば生活習慣の改善と保存療法で治癒が期待できますが、慢性化した場合には手術が必要になることがあります。慢性化すると繰り返し傷がつき、治りにくくなります。また、傷が治る際に組織が硬化し、肛門が狭くなる状態(肛門狭窄)になることがあります。傷口が感染し、痔瘻(あな痔)や肛門周囲膿瘍を引き起こす可能性があります。

症状を放置せず、早めに受診することで、快適な生活を取り戻すことができます。

裂肛(切れ痔)の原因

裂肛は以下の要因によって引き起こされます:

  1. 硬い便の排泄
    便秘により硬くなった便が肛門を通過する際、粘膜を傷つけます。
  2. 頻繁な下痢
    下痢による肛門粘膜への刺激が繰り返され、炎症や裂傷が起こります。
  3. 過度ないきみ
    排便時のいきみが肛門に負担をかけ、裂ける原因となります。
  4. 不適切な排便習慣
    長時間トイレに座る、便意を我慢するなどの習慣が影響します。

痔瘻(あな痔)/肛門周囲膿瘍

痔瘻(あな痔)は、肛門の内側と外側をつなぐ異常なトンネル(瘻管)が形成される疾患です。この病気は男性に多く、自然治癒が難しいため、手術が必要となるケースが一般的です。

肛門内部の「肛門陰窩」という部分に細菌が感染し、膿が溜まることで「肛門周囲膿瘍」を発症し、それが慢性化して痔瘻へと進展します。適切な治療を行わないと再発や悪化のリスクが高いため、早期に受診することが推奨されます。

手術療法を含めた適切な治療を受けることで、症状の改善や再発予防が可能です。自覚症状がある場合は、恥ずかしがらずに医師に相談しましょう。

痔瘻(あな痔)と肛門周囲膿瘍の原因

  1. 細菌感染
    肛門陰窩に細菌が入り込み、炎症や膿を引き起こします。感染の原因には、排便時の便からの細菌や肛門周囲の不衛生が挙げられます。
  2. 肛門周囲膿瘍の慢性化
    急性の肛門周囲膿瘍が適切に治療されず、慢性化して痔瘻に進展します。
  3. 免疫力の低下
    疲労やストレス、糖尿病などで免疫力が低下していると、感染しやすくなることがあります。

痔の予防対策

バランスの取れた食事、適度な運動、清潔な肛門ケア

痔の予防には日常生活での適切な習慣が欠かせません。

特に、バランスの取れた食事、適度な運動、そして清潔な肛門ケアを心がけることが重要です。以下に主な予防方法をまとめます。ぜひ、参考にしてください。

清潔を保つ

毎日お風呂に入り、肛門を清潔に保ちましょう。
排便後は丁寧に拭き、必要に応じてぬるま湯で洗い流します。ただし、温水洗浄便座の使いすぎには注意が必要です。

適切な排便習慣

トイレは3〜5分程度を目安とし、長時間座らないようにしましょう。排便時に強くいきまないよう注意しましょう。
便秘や下痢を防ぐため、腸内環境を整えることが大切です。

食生活の改善

水分を十分に摂取し、1日1.5〜2リットルの水を飲むようにします。
食物繊維が豊富な野菜、果物、海藻類を積極的に摂取しましょう。
植物性油を適度に摂り、便をスムーズに出しやすくします。

生活習慣の見直し

長時間の同じ姿勢(立ちっぱなし・座りっぱなし)を避けましょう。
適度な運動を心がけ、体を動かすことで血行を促進します。
アルコールや刺激物の摂取は控えめにしましょう。

その他の注意点

冬は体を冷やさないよう注意が必要です。
症状が気になる場合は、早めに当院へご相談ください。